ケイト・ディカミロ
Kate DiCamillo
ねずみの騎士デスペローの物語
愛をみつけたうさぎ―エドワード・テュレインの奇跡の旅
原題「The Tale of Despereaux: Being the Story of a Mouse, a Princess, Some Soup, and a Spool of Thread」
ティモシー・バジル・エリング Timothy Basil Ering :挿絵
「desperate 絶望」をその名の由来にもつ、ねずみのデスペローと、
絵画の明暗法であり光と影を意味する「chiaroscuro キアロスクーロ」の名をもつドブネズミ、
「sow 雌ブタ」と呼ばれる、虐げられた女の子、
そしてお姫さま、の四人を軸に紡ぎだされる物語です。
2004年ニューベリー賞受賞作。
邦訳は子安亜弥:訳でポプラ社からでています。
あらすじ
小さなネズミ、デスペローは、人間のお姫さまに恋をしてしまいます。
しかし、そのことから酷い罰をうけることに。
一方、ドブネズミのキアスクーロは、ある理由から、お姫さまのことを憎んでおり、復讐をたくらんでいました…
王冠がわりにスプーンを自分の頭にのっけて、お姫さまに復讐を誓うドブネズミの姿が、なんとも哀れで、深く印象に残りました。
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愛をみつけたうさぎ―エドワード・テュレインの奇跡の旅
The Miraculous Journey of Edward Tulane
「愛をみつけたうさぎ―エドワード・テュレインの奇跡の旅 」
原題「The Miraculous Journey of Edward Tulane」2006年
あらすじ
エドワードは陶器のウサギ。着ている服も高級で、懐中時計まで持っている、高貴なウサギの人形です。
ある日、エドワードは、誰からも愛されるのに、誰も愛さないお姫さまのおはなしを、持ち主の女の子といっしょに、おばあさんからききます。
お姫さまのたどる運命は悲惨なもので、おはなしは救いのないままで幕を閉じます。
それはまるで、エドワードにかけられた呪いのようでした。
エドワードもまた、愛するということを知らなかったからです…
このお話、主人公が人形じゃなくて人間だったら、かなり悲惨な話になっていたかもしれません…。
人形なので、どんなに酷い扱いをうけても肉体的な痛みは感じないのが、まだ救われます。心は痛むにしても。
挿絵のうさぎが非常にかわいらしくて、正直、白黒なのがもったいないといいますか、ぜひともすべての挿絵をカラーでみせてほしいと思いました。
2006年ボストングローブ・ホーンブック賞 フィクションと詩部門
2007年オランダ銀の石筆賞受賞作品