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アルジャナン・ブラックウッド
Algernon Blackwood

(1869-1951年)
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心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿
John Silence: Physician Extraordinary

"Unless you should send for me sooner."
その前に君がぼくを呼ぶことがなければね(引用)

アルジャナン・ブラックウッドの「心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿」
原題:「John Silence: Physician Extraordinary」1908年。
邦訳は、「妖怪博士ジョン・サイレンス」というタイトルで、
角川ホラー文庫 紀田 順一郎/桂千穂:訳のものもあったようなのですが、
私が読んだのは、東京創元社 植松靖夫:訳 カバー絵:山本ゆり繪 のもの。

ブラックウッドの名前表記は、アルジャーナンとかアルジャーノンとかアルジャノンといったものもあるようです。
アーサー・マッケンらと並ぶ、20世紀初頭の英国怪奇小説の巨匠。
H・P・ラヴクラフトにも影響を与えたとか与えなかったとか…。

巻末の解説によりますと、作者は「黄金の夜明け団 The Hermetic Order of the Golden Dawn」といった魔術の秘密結社に所属していたそうです。そしてこの小説の主人公、ジョン・サイレンスのモデルは、その黄金の夜明け団のメンバーのうちの誰からしいとか。

この本に収録されているのは、シリーズ全話の6話。
連作形式になっていまして、基本的に短編で読み切りです。

  • 事例一 霊魂の侵略者 A Psychical Invasion
  • 事例二 古えの妖術 Ancient Sorceries
  • 事例三 炎魔 The Nemesis of Fire
  • 事例四 秘密の崇拝 Secret Worship
  • 事例五 犬のキャンプ The Camp of the Dog
  • 事例六 四次元空間の虜 A Victim of Higher Space

いわゆるオカルト探偵もの、といいますか、オカルトの要素をからめた推理小説かと最初は思っていたのですが、べつにそういうわけではありませんでした。超常現象にみせかけたトリックがあるとかではなく、普通に怪奇小説です。
「事例五 犬のキャンプ」、これが一番おもしろかったです。

(2009年9月)
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